book 3

□pink elephants
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ふと起きると
お酒の缶がテーブルに散らばって
おつまみのジャーキーもそのままだった


ただ違ったのは
隣にテーブルに突っ伏して寝ている人が
いるとゆうこと


たしか一人で呑んでいたはず


だがヒトが増えていた


ヒトが増えていることが怖いのではなく
なんとなく見覚えのある後ろ姿が
非常に怖いのだ


三年前に別れた元恋人


ただ流されて生きていた時に
流されて付き合った人


あぁ、と頭を抱えていると
んん、とその人は起きてきた




あとは流れに身を任せ
僕は抵抗をしなかった




ふと起きると
お酒の缶がテーブルに散らばって
おつまみのジャーキーもそのままだった


ただ違ったのは
唇に残る誰かのキスの感覚と
性行為をしたであろうベッドの乱れ


隣には誰もいなかった




缶に残ったビールを無理やり喉に通した



きっと思い出とゆうのは
嫌にぬるいこの液体と
同じ味なんだと思った












pink elephants
(いっそ全部忘れていたらいいのに)

 
 

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