book 3

□first kiss
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ファーストキスのおもいで


相手は同級生
場所は塾

理系の私と文系の彼は
張り合う基準がないくせに
ライバルだった

家は隣
学校は同じ
クラスは文理で分かれて
でも塾では
彼と私は定位置の
隣に座っていた

周りは言った
付き合っていると

実際付き合ってはいなかった

彼と私が思うことは同じ
「自分にないものを持つ者の
 隣でそれを学びたい」


ある日
塾に行くと
教室に彼しかいなかった

私は彼の隣に座る

私は聞いた
なぜ一人なの?と

彼は少し後に
今日は花火大会だよ、と言った

私はあぁ、と思った


先生がくるまで
あと3分
時計がそう知らせる


彼が突然言った

俺はもう耐えられない
君が隣にいることが
僕らの関係に
きちんとした名前がないのに
隣に座らないでほしい


私が言葉を発する前に
彼は言った

僕の関係に名前を付けよう
ライバルではなく
お隣さんでもなく
ただの恋人になろう


耳が赤い


きっと私も耳が赤い


あぁ
きっとただ耳が赤い





first kiss
(はじめてぇのちゅう♪)

 
 

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