Book 1

□fresh mint
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昨日三年付き合った彼に振られ
やけ酒をしていた記憶はある
しかし
起きると自分の家ではなく
さらに知らないスーツの男性が
ベッドに寝ている私を眺めていた



『…あっ、起きた』


「……ッ!?」


「おはようございます」


『…えっ?』


「挨拶は言わない主義ですか?」


『っあ、おはようございます』


「はい、おはようございます」


『…あのー』


「はい、なんですか?」


『質問していいですか?』


「はい、どうぞ」


『あなたは誰ですか?』


「ん?、覚えてませんか?」


『…すみません』


「いえ…、いいですよ…」


『…すみません』


「まぁ、いいです」


『ほんとすみません』


「許します」


『ありがとうございます』


「その代わり…」


『その代わり…?』


「キスして下さい」


『…ッ!?』


「冗談ですよ」


『……』


「では、僕仕事なんで…」


『……』


「いってらっしゃい、は?」


『い、いってらっしゃい!』


「はい、行ってきます…チュッ」


『……ンンッ!?///』


「早めに帰って来ますね」



そう言って男性は私を置いてを出て行った








fresh mint
(微かに香る朝の清潔な香り)


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