Book 1

□ideal young man
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なにもない日

朝10時ぐらいに起きると
台所の方からなんかいい匂いがした

一人暮らしをしているので
本来ならば
飛び起きなければいけないこの事態を
再び夢へ呼ばれたと理由をつけ
見なかった、匂わなかったことにした


夢の中

花畑の遠くでおーいと
私を呼でいる青年を見つけた

小舟に乗って川を渡っている私は
青年の近くへ行って下さいと
船頭さんに言った

わかりましたとこたえると
青年のところを目指して舵を切った

いくら待っても青年に近づかず
船頭に話しかけたところで目が覚めた


台所からあの川辺の青年が
私の枕元にやってきた

青年は私に言う



「朝ご飯できましたよ」

『貴方は誰』

「何を言っているんですか」

『貴方は夢の中だけの人のはずよ』

「そうですね…」



「私は貴女様の“理想”ですものね」










ideal young man
(夢にでてくる夢の姿)

 
 

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