オリジナル
□ピアス
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「あっ、あたしと付き合ってください!」
心臓が破裂するかと思うくらいの鼓動を刻みながら必死にしぼりだした言葉は、案外シンプルなものだった。
友達と一緒に、告白のときのかわいい言葉とかいっぱい考えてたのに…。
あたしってほんとダメだなあ……。
だから今までの恋愛だって叶いきらずに儚く散って、どうせ今回だってあっさり断られるんだ…。
「うん…いいけど?」
ところが聖也くんの口からでた言葉は、意外なものだった。
「………う?」
「ん?いいけど?」
「ぅえ?!いいの?!」
「え?ダメなの?」
「え?!ダダダメなわけないですっっ!!!」
「ん、そ?んじゃあこれからよろしくね」
聖也くんは人懐っこい笑顔をあたしに向けて、右手を差し出した。
あたしは夢を見てるような感覚で、顔を赤くしながら聖也くんの手を握った。