オリジナル
□少年よ、大志を抱くのも良いが小さな夢も見ろ
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「送られてきたって……クール便みたいな言い方すんなよ〜。で、コクショってなに?」
「おめーなんかクロ○コヤ○トでも送れねーよ。めっちゃ暑いことだ」
「サ○ワは?」
「無理だ」
見ての通り、バカ丸出しの恵一は、もちろん受験だからといって必死に勉強したところでどうにかなるような救いようのあるヤツじゃない。
教えても教えても2秒で抜けてくし、本人はやる気はあるようなないようなっていう微妙なとこだけど、残念ながら無抵抗の方がいいような気もする。
…なんてプロの家庭教師ぶったことを言っているが、実際は俺自身も恵一の1歳年上の高1なだけで、たいして頭はよくない。
こんなモノ送られてきて、俺は完全に迷惑なだけだ。
「お前さあ、ちょっとは勉強したらどうなんですか?」
「んー、そうだね〜、そんな気もする〜」
恵一は明らかな空返事をしながら新聞を読む。
そして、時折俺の部屋の唯一の救世主・扇風機に、「あ゙〜」と言ってみたりしている。
こいつ、本当に高校受かる気あるのか…?
まあ、かくゆう俺も、棒アイスをかじりながらボーッとしているわけなのだが…。