Jewel

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 間違えない。
 あの時の先輩だ
 お礼、ちゃんと言わないと


 先輩と目が合った
 そして近づいてきた
 先輩、多分気づいたんだと思う
 あの時の奴だと
 今言わないと、お礼を

 「あの、先輩ありがとうございましたっ」
 「別にいーから。あの後なんかされたか?」
 「いえ、何も」
 「ならよかった」

 そういい終わった瞬間先生方がどよめいた
 え、どういうこと?

 「咲山・・・後輩助けたのか?」
 「そーだとしたら?」
 「さっきは勘違いだった。すまない」
 さっき?あの説教のことだろう
 ・・・まさか。
 
 「あの、説教ってあの時のことですか?」
 「まあな。」
 「!先輩すいませんっ」
 私何ていうことをっ!
 先輩に迷惑かけてしまった
 私、最低だ。

 「謝るのはお前じゃなくてあいつらだろ」
 「え、?」
 「お前は悪くねえよ。翡翠」

 「あと、俺はお前の髪好きだから」
 



 「白髪、きれーじゃん」
 咲山先輩はそういい残し、職員室をあとにした

 それでも私の頭の中には先輩の声が響いていた
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