短編ぶっく
□すたーだすと
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私はこの世界に生れ落ちたときから、
愛されてきた
でもそれは偽りだって知っていたけれど
「スターレット、起きなさい」
朝、起こしてくれる母親
いつも優しい人だけど、
本当は何を思っているんだか
「髪長くなったわね」
無言で起き、無言で髪を梳かす
もう知ってる
これは嘘だって
「ねえお母さん」
「何、隠してるの?」
「何、って。何も隠してないわよ?」
「嘘。私知ってのよ?」
「私、双子だったんでしょう?」
驚愕する母親
それと反対に落ち着いてる私
「スターダスト、っていう男の子。貴方は私を誘拐してんでしょ?自分は子供を産めない体だから。ねえ、さっさと認めたらどうなの?」
もう知ってるのよ
事情は全て調べた
「ねえ、お兄ちゃんどこに居るの」
スターレット
この地域じゃ珍しい名前
だから不審に思ったのよ
「・・・ここ、よ」
メモを渡され、見る
そこには住所が記載されていた
「もう貴方のとこには戻らない。さよなら」
お兄ちゃん、お兄ちゃん
私たちもうじき会えるよ
思わず笑みがこぼれた
ドアの先には、
愛しの存在が待ってるから
Fin...?