短編ぶっく

□星屑
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「スターダスト、さん?」
 



 あそこから脱出して一週間
 一人の女に声をかけられた



 俺と瓜二つな女
 まさか、否そんなはず



「スターレット?」



「お兄ちゃんッ、会いたかったっ」
 そういうなり抱きついてきた
 ・・・生きてる?
 何で、どうして?



「私たちね、双子なのよ。昔、私の母親だった人が私を誘拐したの」




 なるほど
 それで死んだと思ったのか




 スターレット、
 お前さえ、お前さえ・・・




「お兄ちゃ、」



 ぐしゃ、と効果音
 そして抜く刃物



「俺はお前のこと大っ嫌いなんだよね」




「え、お兄、ちゃ、?」




「お前さえ、居なければ俺は普通に生きてた」




「お前なんて死んじまえ」




 それでもなお、スターレットは俺を呼ぶ
 嗚呼、醜い。煩わしい




「だからさ、死ねよ」




 もう一度刃物を振りかざすと、
 スターレットは動かなくなった




「は、最初からこうなりゃよかったんだ」



 
 俺はようやく
 自由を手に入れた




(その代償は)




(己の半身)




 Fin

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