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□風邪
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金曜日、咲山は学校を休んだ。


理由は知らないが、特に心配はしていなかった。

あいつはよくズル休みをするからだ。


だが、いつも一応電話をしてみる。

本当に理由があって休んでいるかもしれない、とか思っているから。


まあ、一度も風邪をひいていたりしたことはないのだが。


プルルル… プルルル…


それでもかけてみる俺って…

ちょっと重症かもな…


そう、俺は咲山のことが好きだ。

仲間としてじゃなく…いや、仲間としても好きなんだが、性的な意味で…。


正直、今日も咲山がいなくて俺はテンションが低かった。らしい。


『もしもし…』

「あ、咲山」


何だ、この辛そうな声は。


『…何か用…?』


今日は何か違う。

これはあれだ、風邪だな。


「おい、お前…まさかの風邪引いた?」

『おうよ…もう切るわ…』

「いやいやいやいやい!ちょっと待てぇい!」

『んだようぜぇな…』


なんだか殺気を感じる。
電話なのに…


「俺、今からそっち行くわ」

『…は?くんなし』

「じゃあ切るな」

『ちょ…』


ブチッ


よし、行こう。

疾風ダッシュで!

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