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□誰が言うかよ
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「…ゴリラァァァァアアアアア!!!!」



バキィ!


「ギャァァァァァアアアア!!」

「新八ぃ!!ゴリラの死体しかないアル!!」

「なにしてんだてめぇら!!」









二人は急いで屯所まで来て、ゴリ……近藤の部屋に二人して突っ込んだ。


そこには丁度土方や沖田もいた。







「ゴリラァ!!助けるネ!」

「……あれ?これ頼んでる態度じゃないよね?」


ぐすんと泣き真似をする近藤を沖田は一瞥し、神楽を見る。



「なんの用でさぁ」

「銀ちゃんが…!!」



そこまで言って、泣きそうに顔を歪める。

いつも気丈な彼女がこんな表情をするなんて。

どういうことかと、新八に視線が集まる。


彼はいつもより早口に説明した。


なにがあったのかを。



 
「…よくトラブルに巻き込まれるお方でい」



感心したように言うも、その目はギラギラと光っている。

この少年は、銀時になついているのだ。

「…助けて…」




グッと奥歯を噛み締めながら言う。



「……わかった。近藤さん」

「あぁ、二人はここで待っていなさい。危険だ」

「イヤネ!」

「嫌です!!」




即答した彼らに、近藤が困ったように眉を寄せる。


「しかしなぁ…」



 
「自分たちの身くらい自分で守るネ!」

「だから大丈夫です!!」


それよりも早く、彼の無事な姿が見たかった。

「…わかった」

ただし、と。

「危険だと判断したらすぐ逃げるように」



伊達に真選組の局長ではないようだ。


普段の締まりのない態度はなくなり、威厳ある風格で言う。

それに頷きながら、土方や沖田の後をついて歩く。






























…ピチャン…ピチャン…なにかが滴り落ちる音が聞こえてきた。

それに反応してゆっくりと瞼を開ける。




どうやら戦いの最中、気絶をしてしまったようだ。

痛む腕や足、背中を抑えながら起き上がる。





「…起きたか…」

「……誰だてめぇ…」



低い、聞き覚えのない声に、銀時の警戒心が強まる。


 
まずい、な…。



内心で舌打ちをし、相手に悟られない程度に逃げ道を探す。




「…なんの用だよ…」

「ちょっと聞きたいことがあってなぁ…」



ニヤリと、暗闇の中で笑う気配がした。

「……高杉と桂の居場所、だ」

「……!!」




思わずと言った風に、動揺してしまった。


「…知らねぇなぁ」

動揺を悟られないように、咄嗟に言う。







いや、ホントに。

桂はそこらへんにいるよ。

高杉も京都に行けば会えるんじゃない?

そう言いたいのを我慢する。





今は敵対していようがなんだろうが、かつての仲間を売るほど馬鹿ではない。



 
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