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□俺には
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見渡す限りの天人、天人。


腕はだるいし、足は重い。

大きく息をつき、刀を下段に構える。



「…ったく、そんなに俺の首が欲しいのかよ…」



くつりと、凶悪に笑って銀時は言う。



ま、でも。

「あげるわけねぇけどな?」




ダンッと地面を蹴り駆け出す。



天人の群れに突っ込むというなんとも無謀な、自殺行為にも見える銀時の行動。


たった一人だというのに天人は怯む。





横に薙ぎ払い、紅が銀髪にかかる。

後ろから降り下ろされた刀を頭上で受け止め、横から斬りかかってきた天人に振り払う。

その衝撃で折れた刀を捨て、天人の懐に潜り込み刀を奪う。

そうしたことの繰り返し。


弾き飛ばされた衝撃に後ろへと後退し、乱れた呼吸を整える。

「ったく、斬っても斬っても減らねぇじゃねぇかコノヤロー」



八つ当たり気味に懐に隠し持っていたクナイを相手の目へと投げ付ける。



「ギャァァァァアアアアアアア!!」




 
なんとも耳障りな悲鳴を聞きながら、頬に付いた血をペロリと舐める。



「…夜叉の首、取れるもんなら取ってみやがれッ!!」



ザンッ…



斬ると同時に叫ばれたその言葉に天人が背筋を凍らせる。



銀時の紅い瞳が、恐怖を誘わせる。




「…ッ!!ば、化物…ッ!!」




“化物”


ふと、その言葉について考えた。



異形の存在、鬼、夜叉、人間じゃない。





そのすべてが当てはまる言葉。

言われ慣れたその言葉に、胸が痛んだ。




――…ほんの、一瞬。

一秒にも満たないその時間にいつの間にか天人が振りかざす槍が目の前にあった。




…あ、死んだわ…。



冷静にそう考える自分がいて、嘲笑の笑みを浮かべた。




「…んのバカ野郎!」



ギィィンッ…。



聞き慣れた声と共に、槍が弾かれる。



 
「戦中に考え事なんか余裕かましてんじゃねぇぞ、クソ天パ!!」



いつからいたのか。

鋭い隻眼でこちらを睨みながら言う。




「…あれ、なんでここに…」


呆然としながら言うとニヤリと笑う。


「…助けに来てやったぞ、クソ天パ。感謝しやがれ」


どこまでも上からの物言いにカチンときた。






「天パ馬鹿にしてんじゃねぇぞ!!自分がサラサラだからってコノヤロー!!」

「はん、僻みか?」


それすらも鼻で笑い、馬鹿にしたような笑みを浮かべる。


「――…心配して来てやったと素直に言ったらどうだ?」

「あはははは!!そげんこと晋作には無理じゃのぉ!!」

丁寧な物言いに朗らかな笑い声。

――…あぁ、なんだ…。



 
「なッ!!べ、別に俺は心配だから来たわけじゃねぇ」

「あらやだ晋ちゃんやっさしい!!銀さん感動だわー」

「つか俺は晋作じゃねぇ!!」

「顔が赤いぞ、晋助」

「黙れ!ヅラ!!」

「ヅラじゃない!桂だ!」

「あはははははは!!」

「いや、なんでお前は笑ってんの?」






俺には



「チッ…。後で覚えとけよ、ヅラ」

「だからヅラじゃない!桂だ!」

「金時、怪我はないけ?」

「銀ね、銀。つかそれ最初に確認することだからね」

「…あはははははは!!」

「笑って誤魔化すなクソモジャァ!!」


















―――――…こいつらが、いるじゃないか…。







END



うわ中途半端(>д<)
駄文ですいませんッ!!
あと管理人の名前はみぃです…



 
 

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