けいおん!

□入学
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「暁」


「………あ?」


名前を呼ばれ振り向く


前髪をピンで上げた金髪馬鹿が、子供っぽい笑顔でこちらを見ている


「今日から桜が丘に入学だね暁!合格出来てホントによかったね!!」


その笑顔のままこっちに近付いて来る

「近寄んなキモい」


「……ひどくね?待ち合わせにしたのお前だよね?なのに近寄んなってひどくね?キモいってひどくね?」


「うっさい。怜は?」


周りを見渡しながら言うが、怜の姿はどこにも見えない


「ああ、怜ならちょっと遅れるから先に行っててってさっきメールが…」


「行くぞ」


ブレザーのポケットから携帯を取り出そうとする渚を置いて俺はさっさと歩いていく


「あっ!?待てって暁!!」


そう言って渚は取り出しかけた携帯をまたしまい俺の事を追いかける




今日は桜が丘高等学校の入学式


俺と怜、渚は合格した桜が丘に向かう途中(といっても怜はいないが)


何でも去年から共学になったのはいいが、男子の受験数があまりに少ないせいで巷では“男子は名前を書けば入れる”とまで言われた高校だ(決して馬鹿が集まる高校ではないんだが…)


怜はともかく、色んな意味で高校に行けるか危うかった俺と馬鹿すぎて高校に行けるか危うかった渚には願ってもない助け船だった


藁にも縋る思いでこの桜が丘を受験

何とか合格出来た


 
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