けいおん!

□入学
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「暁〜、コンビニ寄ってこ〜ぜ〜」


渚が俺の肩に手を置きながら言ってくる

……コイツはとにかくコンビニが好きだ

暇さえあれば(例えばこういう余裕がある時は)コンビニに寄って時間を潰している


今日に関して言えば初日だからって余裕持って出た意味を分かってらっしゃらない可哀相な馬鹿な訳だ



「寄らない」


「え〜〜〜」


口を3にしてブーブー言ってくる渚を無視してさっさと歩いていく


……ったく…コイツは昔からいつもこうだ

時間ギリギリ登校は当たり前(でもって遅刻多数)、後先考えない行動で後になって後悔する事山ほどあったし


少しは怜を見習って欲しいもんだ



………けど、コイツと怜のお陰で今俺はここにいれる



それは本当に感謝している


口には死んでも出さないけど(調子乗ってウザいから)




「ん?暁…」


「何だよ」


振り向くと渚がコンビニを指差している


………ホントに懲りねぇ奴…



「行かない」


「じゃなくてじゃなくて!あれ!陰の方!コンビニの陰!!」


急かすように渚は俺の近くに寄って目の前で指差す

どうやらコンビニに寄ろうという催促じゃないらしい


「陰…?」



………………







桜が丘の制服を来た女の子二人がガラの悪そうな男達三人に絡まれている

ここからは遠いから、女の子の一人は長い黒髪でもう一人は明るい茶髪って事くらいしか分からない



「…だから何?」


「どうすんの?」


「………行けば?」


「やぁ〜〜ん♪僕ちん、あんなにおっかなくて恐そぉな人達になんか絶対に敵わないもん♪」


嘘つけこの野郎

絶対ェに面倒な事を押し付けただけだろ


とりあえず口元に両拳を当ててぶりっ子のような仕草をする渚を後でフルボッコにしようと思った




「…鞄よろしく」


「はいはい♪あ、コンビニで立ち読みしてていいいいぃぃぃぃぃぃ!!!?」

バキィィィ!!!




「殴っていいか?」


「も、もう殴っております暁さん……そして洒落にならない痛みでありますよ……あふぅ……」


 
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