けいおん!
□入学
4ページ/10ページ
行け、と男達のいない方に顎で指してやる
しかし二人とも呆気に取られているのか動こうとしない
……仕方ねぇな
「邪魔だ。どっか行け」
……何で俺はこんな言い方しか出来ねぇんだよ…
ただ俺のその言い方が良かったのか、二人はビクッと我に返ったように小さく身体を竦ませた
「あ、ありがと!誰か分かんないけど助かったよ!」
そう言って茶髪の女の子は黒髪の女の子の手を引く
「あ………あの…っ!」
「澪!早く行くぞ!!」
何か言いたげな様子だったが、“澪”と呼ばれた女の子は茶髪の女の子に手を引かれ走っていった
“澪”は何度かこちらを振り返っていたようだが、生憎それに答えるほど今俺に余裕はない
答える気もないけどな
「テメェ…随分とナメた事してくれんじゃねぇか…!!」
殺気立たせて俺を睨んでくる男達
「テメェらは朝早くからナンパとか随分と暇そうな事してんのな」
ピキッ…
空気が割れる音が聞こえた気がした
「ふ……ざけてんじゃねぇぞガキがぁ!!!」
激昂した一人が俺に向かって拳を振り上げてきた