けいおん!
□入学
7ページ/10ページ
入学式を終え、新入生の皆は指定されたそれぞれの教室に戻っていた
先のコンビニで会った二人もしかり、である
「いや〜〜、それにしても今日は朝から酷い目に遭ったなぁ」
頭に両手を組みながら茶髪の女の子が話す
「律のせいだぞ!律がコンビニに行こうって無理矢理誘うから…!!」
「仕方ないだろ〜?弁当忘れたんだから何か買わなきゃいけなかったんだもん」
「……だったら私のを分けてやったのに…」
「はいはい、過ぎた事をとやかく言わない!誰か知らないけど助けてくれたんだからそれでいいじゃん!」
パンパンと肩を叩きながら“律”は澪に笑いかける
すると澪は途端に顔を曇らせた
「どうしたんだよ?」
「………お礼…言いそびれた……」
顔を曇らせたまま澪は視線を落とす
律はキョトンとした顔で数回瞬きをすると、ニヤ〜ッと意地悪い笑みを浮かべる
「そっかそっかぁ!澪はあの人にお礼が言えなかったのかぁ」
「……………」
「じゃあお礼言いにいけば?」
「え?」
意味が分からないと言ったように今度は澪が律にキョトンとした顔を見せた
「実はだな〜〜……もしかするともしかするかもしれないんだ」
「………どういう意味だよ?」
聞き返す澪を見て律がさらの笑みが鋭さを増したのを澪は気付いていないようだった…
「確かあの制服、ここのだったはずだぞ」
「…………え?ええぇっ!!?」