図書館戦争

□Nostalgic photograph.
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「キャ──────────ッ!」
 悲鳴と共に物が落下する音が聞こえた。
 慌てて悲鳴が聞こえた方へ走る。
「何した!?」
「篤さんごめんなさい!」
 郁の周りには物が散乱していた。
 訊くと押入れの上の段から取りたいものがあったらしい。
「だったら俺に頼めばよかったのに……」
「だってあたしの方が篤さんより背高いもん」
 今のは聞こえなかったことにする。
「……何これ」
 郁は足元に落ちていた一枚の写真を拾い上げた。
 古い写真なのだろう。
 少し色褪せている。
「わぁ〜〜。かわいい!」
 その瞬間堂上は郁から写真を奪取した。
「見るな!!」
「え〜〜。かわいいのに」
 その写真には小学校低学年の頃の自分が写っていた。
 文句を言いながら郁は他の写真を探している。
「いいからここは俺が片付けるから! 郁はどっか行っててくれ!」
「照れなくてもいいのに。顔真っ赤だよ〜〜」
 言われてから自分が紅潮していたことに気づいた。
 堂上が怯んでいる間に郁はもう一枚写真を拾う。
「お、これもかわいい」
 郁は次々と写真を拾っていった。



 見られた写真を横から奪い取ってはまた違う写真を拾われていくことの繰り返しで恥も薄れ、いつの間にか二人並んで写真を見ていた。
「これは?」
「それは中学の修学旅行」
 清水寺の舞台で三人並んで写っている。
 右が堂上だろう。
「中学の修学旅行京都だったの!? いいなぁ〜〜」
「郁は」
「長野だったよ。長野は長野で楽しかったけど! でもいいなぁ〜〜」
 郁は溜め息をつきながら写真を送った。
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