企画
□すがりつく
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今男鹿は俺にすがりついている。
俺の部屋に遊びに来た途端俺に突進してきた。いきなりだったから、尻をついて痛い。
男鹿はそんなことも知らずにすがりつき、俺の腹に腕を回して顔を埋める。
なにコイツ可愛い。
「どうした?」
俺はさっきから同じことしか言わない。
返事をくれないんだもん。
「男鹿」
「…ひぅ…ぅぐっ…」
返事をくれない理由は泣いているから。
何故泣いている、と聞いてもただ泣くだけ。
「何があったか知らないけど…安心して、俺がいるよ」
「んっ…ひぐっ……う…ん」
安心という言葉のおかげなのか、男鹿はやっと返事をしてくれた。
「……………」
ぎゅぅっと男鹿が力を込め、俺の服を握る。
「…よしよし……」
俺が頭をなでると、泣き止んだ。
赤ちゃんかコイツ。
…まぁ、人間生きていれば誰かに助け≠求めてすがりつきたくなるよね…。
(多分コイツのは助け≠カゃないけど…)