お前の刀に――俺はなる

□序章
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拝啓 悪人の皆様々



つい先日まで咲いていた桜も

今はすっかり散ってしまいましたね

寂しい限りです

あなたがたにとっては何の価値もない

ただの花かもしれませんが

僕にとっては――――

――――まぁ

無駄話もこのへんで止めておきます

さて

今回 私がわざわざ筆をとったのは……

なんですか? 今時 手紙なんて……と

これはこれは悪人様々

誰にでも偽装ができ

データも残りやすい電子メールに

悪人様々が頼るなんて……



……おふざけもこの辺にして

そろそろ真面目に書きます



すでに悪人様々のところにも

何かと情報が出回っているでしょうか



桜僧技家が 動きだしたようです



恐れることも怖れることも

ましては畏れることもないでしょうが

今一度 悪人様々として

敬意と誇りをもって

桜僧技家の特徴を通達することとします



一、すぐにでも折れそうな細い四肢

一、細く風になびく黒髪

一、抜けるように白い肌








一、――全てを蔑むような 冷たい目――









―――――


――――――――




―――――――――――――…………
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