刀剣乱舞
□一話
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安定君の答えに私は耳を疑った。
「あぁ。あいつ前の主に捨てられたんだよ」
清光君ってどうして可愛がって欲しがるんだろうね、と。世話話のようなノロケ話のような。
そんな軽い調子で言った。
その答えがこれだった。
戸惑っている私を置いて彼は続ける。
「僕も詳しくは知らないけど、結構可愛がられてたみたいだよ」
なのに捨てられた。
彼の言外を悟り、私は黙ってうつむく。
「そう、だったんだ……」
やっとそれだけ言葉を発した。
安定君は私の存在になんて気付いていないかのようにとおくをながめる。
それからは
ただ苦しい沈黙だけが残った。