血塗られた兵器
□序曲
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月明かりの下
彼、アルティス=ブランディーは
黒髪に白を混ぜ
寮の自室で窓の外を眺めていた
風が、木をさざめかせかせる
「――がっ……ぁ"っ……」
喉が焼けるような痛みに
彼は背中を折る。
喉から胸にかけて
尖った何かがうごめくような
気味の悪い痛み。
その正体を、彼は知っている。
だから その痛みを
その痛みを生む自分の身体を
酷く恨みのこもった目で嫌悪した。
「ぅっ……ぐ……ぁ……」
息の混じるうめき声が、部屋に響く。
ジワジワと広がる痛みに耐えるため
窓の縁を、めり込むほど握りしめる。
「あ"っ…がっ…………」
悲鳴を押さえつける力のせいで
逆に声が破裂しそうになる。
「はっ……っ……ぁ…………」
喉が掠れて はち切れそうだった。
「っぁ……あ"ぁ"ぁあぁ"ああぁ――!」
――悲鳴の破裂音―――――………