土銀

□BirthdayPresent その後2
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抱き締められながら、ゆっくりと畳の上に寝かされて・・・。瞬間、少しだけピリッ…っとした痛みが肩の辺りに走った。

けれど、激しく深いキスを何度もされて、その痛みが薄れていく。

「……っん……ッ……ひじ…っんん……」

代わりに、ゾクゾクとした甘い痺れが背筋を伝い始める。

スルリ…と腹部を手の平で撫でられ、そのまま手の平がコスプレしていたトラのハーフトップの中に潜り込んできて。

「……ンっ……」

探るような手つきで胸元をまさぐられて、ゾクリ…と下腹部まで熱くなる。

指先で胸の先端を探り当てられ、グニュ…と摘まれて・・・。

「……ぁ…ッ、そこは……」

唇が離れ、声が洩れてしまった。

「……そこは、じゃねェー。こんなエロい格好しやがって」

だが甘く溶けかけた銀時とは逆に、土方はトラの格好が気に入らないらしく、それを非難してきた。

「……どこ…が、エロい……格好だ…」

確かに、付け耳に長い尻尾まで付いていて、どうかすると、どこかのグラビアのおネーさんのような格好だと思うが、銀時が着ているのだ。エロい…とは程遠い。

何がエロいだ? と、答えれば、 

「……ッん、やッ…めっ」

強い力で突起を引っ張るように摘まれて、思わず悲鳴じみた声が洩れる。

「十分エロいじゃねーか。止めろじゃねーだろ? ここァはどんどん固くなってくんぞ」

「……ちょっ、そこ…ばっかり」

クニュクニュと胸の先端を弄られて、腰の奥にむず痒いような感覚が広がって、そこだけで極めてしまいそうな感覚に身体が震え始める。

(……何か……もう……)

そんな銀時に気付いたのか、土方の手は不意打ちのように下腹部に移動してきて、半ば強引にトラ柄のパンツの中に潜り込んでくる。

「……なっ、ちょッ……」

しかも、下には何も穿いていない為に、直に性器に触れられてしまう。

「……テメー…下着も付けてねェーのか?」

それを、怒りを含んだ、驚いたような声で訊かれて…。

「……トランクス……はみ出たら、変……だろ?」

うっかりその時の判断を答えれば、

「……ぅあっ! あ……ぁっ……!?」

かなり乱暴に、半ば勃ち上がっているものを握り込まれた。

「ふざけんじゃねーぞ。どんだけアイツらにサービスしやがった?」

「……なにが、サ……ビスだ…っ…わぁッッ!」 

何言ってんだ? と反論しようとして、いきなり、コロンと後ろに転がされるように脚を抱え上げられた。

「……痛ッ……ッ」

衝撃で、背中に痛みが走る。

その上、痛みに呻く銀時を他所に、引き剥がすようにトラ柄のパンツを脱がされて、更に素早く、脚の間に身体を割り込まされ両脚を閉じられなくされてしまった。

「……ッ…なにすんだ!?」

「何にすんだじゃねーだろ? こっちはもうダラダラになってんぞ」

「……って、おい、そうじゃねぇ。わッッッ!」

土方は銀時の制止も聞かず、脚を抱えあげようとする。

「……クソッ……無視か……よっ……」

さすがに、その横暴さに腹が立って、銀時は土方の頭を殴ろうとした。だが、殴るよりも早く、肩の痛みで力の入らない腕はアッサリと掴まれてしまう。

「……お前は俺んだ。他の奴らを挑発するような格好すんじゃねぇ」

「誰がお前のだっ! 俺は俺のだっ!」

勝手なことをして、勝手なことを言う土方に本気で腹が立つ。

「……クソッ……っ! もう離せっ!」

銀時は渾身の力を込めて、掴まれた腕を振り解き・・・。

ついでとばかりに…。

「離さすかっ……ぐッッ!?」

今度は腰を掴んで引き寄せようとしてきた土方の腹部を渾身の力で蹴り上げた。

「……ッ……てめー……銀…時っ」

威力はいつもの半分もないはずだった。だが、油断していた土方には十分効いたようで、その場で腹を押さえてうずくまる。

その隙に、銀時はクルン…と横に転がるように土方の身体の下から脱出する。

何とか起き上がり、近くに投げ出されていた土方の着物を引き寄せ、それを腰の辺りに巻きつけた。

「……俺がお前んだって言うなら、……一ヶ月以上も放っておくんじゃねーよ……」

「……銀時……」

銀時を自分のものだと主張するなら、一ヶ月以上も連絡を寄越さなかった土方は何なんだろう。

なのに、銀時が少し変な格好しただけで、それをいたぶるように責めてきて・・・。

ふと気付けば、懲りていないのか土方はまた腕を伸ばしてきた。

「……って、しつけぇ……」

腕を振り解こうとして、けれど、ギュッ…と抱き締められて…。

「悪かった」

謝られた瞬間に、銀時の中のわだかまりは消え失せた。





 ※     ※      ※      





・・・わだかまりは消えた。

「……や、…ぁ…やッ、やめッ……ん…ぁッ」

なのに、どういう訳か銀時は土方の膝の上に乗せられ、下から貫かれ、突き上げられる度に嬌声を洩らしている。

「今更止めろはねェーだろ? 上が良いって言ったのはお前だぞ」

「……ちがッ、……それ…意味が違げ……って……」

誕生日プレゼント…ということもあったし、これを言ったら土方はどんな反応をするのだろう? という興味も手伝って、銀時は「たまには上をしてみたい」と告げてみた。

予想外にも、土方はアッサリとそれを了承した。

それに対して、マジッ? と驚いたのは銀時の方で・・・。

「違わねェーだろ? こんなに締め付けやがって。離したくねェーって絡み付いてくんのはお前じゃねーか」

でも、やっぱり、土方の了承にはこんな裏があったのだ。

「ッん……馬鹿っ…やろッ! ……あ、ああっ!」

けれど、どんなに拒んでみても、繋がった部分から広がる快感を否定できなくて。しがみつくものを求めて土方の首に両腕を絡めれば、更に密着度が増したのが災いして・・・。

「それにな。この体勢なら、肩や背中にも負担が掛かんねぇだろ?」

耳元に息を吹きかけるように、とんでもないことを囁かれる。

「……そっ……なっ! ッ…ぁんッ……ンッ」

そんな問題じぇねーだろ! と返そうとすれば、ズンッ…と腰を突き上げられ、今まで以上に深くまで入り込まれる。弾みで、お互いの腹部で擦られている銀時の屹立からもトロトロと蜜が溢れ出る。

「……んんんッ……」

噛みつくように首筋を吸い上げられて、ブルリ…と銀時の腰が揺れた。それを狙ったように熱い楔で内部を掻き回されて・・・。

「……ヒ……ッぁ……!?」

堪らずに、銀時は白蜜を吹き上げてしまう。

「……ぁああ……ッ」

その途端、銀時の内壁は内部を穿つ土方の欲望に絡み付きヒクヒクと収縮するように震え出した。楔の大きさや形までダイレクトに脳に伝える。

ズーンと身体の奥から身悶えるような快感が響く。

達したのに、まだ達し続けているような感覚と。…硬さを失わず蜜を零し続ける銀時自身…。

(……な…んだ……これ……?)

銀時としても、こんな感覚は初めてで、何がどうなっているのか解らない。

戸惑っていると…。

「く……っ、……すげ…ェ……」

締め付けがすごいと囁かれ、銀時の戸惑いはますます大きくなった。収縮する内壁を掻き分けるように強引に突き上げられて、

「……や…めっ、……な、んか、……あぁッ! お…かしくな……ッ」

戸惑いが混乱に変わりそうになる。

「……このまま、……中に…出すぞ」

言葉の意味とは逆に、甘く囁くような土方の声・・・。

えっ? と答える間もなく律動を速められて、内部に収まっている土方が一層大きくなった気がした。

次の瞬間、

「……く…ッ……」

身体の奥にドクリ…と熱い迸りを叩き付けられる。コプリ…と、中を濡らされる感触に、ゾクゾクとした何かが銀時の背筋を駆け上がってくる。

「……アッ……あァ……ッッ……」

同時に、ドロドロに蕩けていくような…。

「……やべーな。銀時。お前…本気でエロいな」

気が付けば、ぐい…と顎を捕らえられ、顔を覗き込まれていた。

「……あ……」

漸く視線が定まり、顔を見られていることに気付いて我に返る。

「……ば…か。……サ…ビスしてんだ、フリ…だって……」

恥ずかしさから、うっかり意地を張ってしまえば、

「そうか。随分と悦さそうに見えたが、それがフリだったとはな……」

一瞬、ギラリと土方の双眸が光った気がした。

「……そうだっ……んあッ!?」

頷けば、繋がったままの腰を軽く揺すられる。

「そいつァ悪かったな。これからきっちり悦くしてやるから許せや」

「……もっ……いらねぇ……ああっ!」

いや〜な予感に断わるも、すぐに突き上げを開始されて、

「……あッ……真に受けんな……馬鹿ぁ……ッ」

「悦くなかったんだろ? ほれ、悦くしてやるから遠慮すんな」

あろうことか、銀時でさえ知ったばかりの一番感じるところを巧みに擦り上げられて、

「……ざけんな……あぁッ! ッ……離せっ……んんッ!」

何度も何度も絶頂に導かれてしまった。

息も絶え絶えとはこのことか? というような天国という名の辛さを何度も味合わされて……。

銀時は気を失うまで抱かれ続けてしまったのだった…。





翌朝、当然のようにピクリとも動けなくなった銀時とは正反対に上機嫌の土方。



けれど…。

銀時の誕生日の祝いを企画し、参加した隊士達は、銀時のトラの姿を見た…という理由で、今まで以上に辛く当たられたのだった。

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