アナタの名前をこの声で

□第2話
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今日はこの国の第1王子、つまり自分の"兄"にあたる人物の国をあげての結婚式だ。"カイザ"は王族の証である白馬に乗って行進に参加していた。
カイザは現王の3番目の子だ。第1子が「女」、メロウ、第2子が「男」、ユウマ、第3子が「男」、カイザ。子供は3人しかいないため、カイザが末の子だ。また、女は王になれないため、第2子であるユウマが王位後継者第1位にあたる。
貴族たちが奏でる音楽の中、行進は進んでいく。周りには警備専門の貴族が配置され、行進に危害を加えようとする者がいないか見張っていた。たまにいるのだ、そういう輩が。そしてカイザはたまたまその現場に出くわした。…というよりも、怒号がこちらにも聞こえてきたため、様子を見に行った、という方が正しいだろう。
貴族が怒号をあげた理由は、二人の下民だった。男と女、自分と同じくらいの年だと思われる。 直接的危害は与えていないものの、王族の結婚パレードの時には国民全員が大通りに出て祝福をするという掟がある。それを破った者は処刑か一生牢獄での生活だ。
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