アナタの名前をこの声で

□第4話
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最後にリサに約束したことを嘘にはしたくない。しかし、無事で戻れる確率は零に近かった。王族に対する抜刀罪はかなり重い罪だ。下手をすれば処刑される場合だってある。
目の前を無防備の背を晒して歩く王族の家臣。------殺して逃げるか------
それもいいかもしれない。だが、逃げたとして、リサを助けられる保証はあるか。 そう考えると、その考えは切り捨てなければならない。リサを救えなければ意味がない、ルファは生きる意味を失うのだ。
そうこう考えているうちに、家臣の足が止まる。
「この先に王がいらっしゃる。頭を下げよ。」
目の前に立ちはだかる大きな扉を見上げていると、無理矢理頭を押された。
「無駄口は謹むように。王の質問にのみ答えろ。」
「…。」
ギィィィィ… 今までよりも更に明るい光が辺りを包む。
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