(夢)HARD LUCK 【エドとタクヤのHARD DAY♪】

□HARD MORNING【タクヤ】
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信じられないほどの喉の渇きと、瞼の向こうを照らす光の眩しさに、タクヤは目を覚ました。重たい瞼の内にあった瞳にまず飛び込んできたのは、誰のかも知れない”唇”だった。

「っ…!?」

驚いて身を勢い良く起こすと、とたんにバランスを崩して、タクヤは再びベットに体を沈めた。ズキズキという痛みとドクドクという脈の音が重なり合って、脳を支配している。ひどい頭痛だ。
こめかみを押さえつつ今度は冷静に横を振り向くと、そこには見慣れた顔があった。

「はぁ……」

タクヤはほっと胸をなでおろす。
唇は、上司であるエドワードのものだったのだ。-----エドワードのものであったからといって、安心していいわけではないと思うが、タクヤにとって彼の唇はもう慣れたものである。
エドワードはタクヤの驚きさえ知らず、未だに深い夢の中にいる。タクヤはそんなエドワードがちょっと気にくわなくて、鼻をつまんでやった。
起きない。
長い時間やってみたが、勝手に口呼吸に代えてしまった。
(ちぇ、つまんね…)
飽きて彼の顔をしばし眺めていたが、不意にタクヤは口端を上げると、音をたてないようにベットから這いでた。
頭痛も忘れるほどに、今は楽しい。
相棒のスティングが、タクヤの動きを察知して追いかけてきた。タクヤは、「しぃ…!」と口の上に一本指を立てる。これは見つかってはならない任務なのだ。
スティングは分かったのか分からないのか、首を傾げて、だんまりを決した。
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