(夢)HARD LUCK 【エドとタクヤのHARD DAY♪】

□HARD MORNINGV【エドワード&タクヤ】
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いまだにトイレにこもり続けているタクヤを裏目に、エドワードは目の前の鏡で自分の顔を見る。
それはもう、酷いなんてものではなかった。
頬や瞼、額に"油性マジック"で書かれた落書きたち…。何度洗っても、一向に落ちる気配をみせない。エドワードは今日が非番で良かったと、本日何度目かのため息をついた。
リビングに戻る途中、タクヤに声を掛けようかと一刹那思案したが、すぐに却下する。たとえ、エドワードが許しても、タクヤはしばらくは出てこないだろう。
エドワードは、まだヒリヒリと痛む拳を見つめた。

…リリリリリリリ…!!

ソファーに沈み込んでいると、突然電話のベルが鳴り響いた。いつの日か、タクヤになんだその古い音はと笑われた記憶が鮮明に甦る。

「はい、ラングです…」

エドワードが、疲れたような声でそう名乗ると、相手は間も空けずに捲し立てた。

「ちょっと!!エドっ!?なにやってるの?今日が何日か分かってる??もしかしてサボリなの!?サ・ボ・リ!!こっちは人手が足りなくて猫の手も借りたいくらいなのに。早く来てちょうだい!!」

エドワードは思わず受話器を耳から離して、見つめてしまった。
電話相手は、一呼吸も入れないで、その言葉の羅列を言いきったのだ。勿論、相手が誰かは既に分かっている。
エドワードは、一度大げさに深呼吸をしてから、口を開いた。

「デビィ…悪いが、何を言ったのか全く聞き取れなかった。」
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