(夢)HARD LUCK 【エドとタクヤのHARD DAY♪】

HARD WORK!【タクヤ】
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車が駐車場に停められると同時に、タクヤは車を飛び出した。
息が切れる程全力で階段を駆け上がり、仕事場の扉を殴るように開ける。同僚たちは、皆目を丸くして自分を見た。

「おはようタクヤ…どうした?」

「ハァッ、ハァっ…な、ん、はぁ…でもない…」

一番に声を掛けてくれたマーティンにしっかり答えることも出来ずに、タクヤは肩で息をする。
コツ、コツ…
と、背後から、ヒールの高そうな靴音が近づいてきた。

「あらタクヤ。おはよう」

デビィだ。乱れを知らない靴音はそのままタクヤの横を通り過ぎ、彼女の机へと吸い込まれていった。
タクヤは朝一番の激しい運動に悲鳴をあげた膝を休めるべく、手近なソファーに腰を下ろす。

「ホント、どうした?タクヤ。」

体中に吹き出した汗も乾いてきた頃に、レオナルドがコーヒーを渡してくれた。彼は、ついでに隣に座り込み、タクヤの様子を窺う。

「何でもないよ。」

そう言って綺麗に笑うと、レオナルドが顔を息がかかるほど近くに寄せた。

「あのなぁ、見くびんなよ?何でもないわけないだろ。」

その顔には、確かに険が走っている。
タクヤは両の手のひらを彼に見せた。

「ご、誤解だって!!ホントに何にもないし…」

「ほぅ?じゃあ、この絆創膏は何なんだ!?」
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