詩
□氷融けて、花開く。
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おぼつかない足取りで我に歩み寄る幼きあの日の君。
その様子は危なっかしくて見ていられない。
……しかし、見ずにもいられない。
君があまりにも必死で、太陽のような笑みを向けてくるから。
初めてだった。
我にそんな屈託のない笑みを向けてくれた者は。
同じ神に近い領域に存在する者たちでさえも、我の強大な力に恐れおののき、バケモノを見るような目でしか見てくれなかった。
恐る恐る前へ出した我の震える手を。
力強く握ったその小さくて、小さくて、小さい手は。
―――我の唯一の太陽。