悪魔による快楽殺人

□過去
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朝、大嫌いな朝。




朝が嫌いなわけでもない。




だけど、大嫌い。







だって、人間達がまた俺を犯しにくるから









『…死んじまえ』




齢13の俺は魔界では名の知れた悪魔







閻魔の血族で唯一、立場を確立させていた








だけど…魔界での戦争で派手に暴れすぎた所為で




魔界からは追放されて、大嫌いな人界に堕ちた。











紅い髪を靡かせてかっぱらった煙草を咥える















悪魔と言えども、痛感を含めた感情とか感覚は


人間と同じ様に備わっている。









起伏は少ないけど、波はちゃんとある。






ただ、大っぴらに表に出せばただでは済まない











処理も面倒だしとりあえずは抑えてた


























俺が快楽殺人に走ったのは13の時。

季節は雪の似合う真冬。
















夜になれば俺の家は囲まれた。









男達は、俺を悪魔としてではなく男娼として




売り物扱いしては掻き抱いて壊して汚して




















最後には『悪魔である』事を理由に捨てられる。









愛される事を忘れ、穢れを覚えた俺は



堕落するには最高の状態だったようだ。















血のような真紅の長髪を纏め上げて

相手を見据える

『あんだぁ〜?誘ってやがんのかよぉ?』

酔った男は俺に近付き、押し倒す










『ねぇ。こんな餓鬼に、もし殺されたら…






お兄さんたち、どうする?』




笑いながら服を剥ぎ取られる…





笑顔を向ければころりと落ちる




『ねぇ、やだよぉ…俺だけハダカなんて

恥ずかしい…一緒に脱いで?』




これは作戦。








『しっかたねぇ〜なぁ〜〜〜』


上半身をあらわにした所で、上に上がった腕を

圧し折り、肉を裂き、骨を砕き、引き千切る




『があああああっ!!!!!!』


威勢というか、調子というか

浮かれ調子だった声は、断末魔に変わり


変わり果てた両腕を見つめて、涙を流した。



『ゆ、ゆ…許して。…ゆ、るし…てく、れ』








懇願し哀願する様を高笑いと共に見下ろし

煙草の吸殻を右目に押し込む

そして、間髪入れずにこめかみを殴る

それから…とりあえず両膝の皿を砕いていく。

勿論、鉄パイプでゴツゴツと快音をたてながら

軽快に壊していく


次第に意識を失い、倒れかけたところを

顔面を殴打して呼び戻し非情を続ける


最後まで涙を流し、俺の名を叫び

口角からは唾液、傷口からは出血


最悪な状況でも俺は表情を崩さなかった

右手

俺の最高の武器であり最強の武器でもある。


首に宛がうと必死に逃げようともがくものの


傷口から赤が噴出し、口からは悲鳴が上がるだけ




『やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!』




骨を砕いた音と窓の外で雪が舞うタイミングは

見事に重なった




ぐらりと崩れた男の心臓をつかみ出し

腸を抉り出し、掻き乱す

頭を捻り潰して脳を露出させた

部屋中が紅に染まり

血だまりと肉片が混在する地獄と化した。





『…うん。気持ち良い』










13の男児が起こした尋常でない殺人事件。

ここから。この瞬間から俺は殺人狂になった。

大嫌いな人間を片っ端から殺そう。

世界なんて物は壊れる為にあるんだ。



そう思ってやまぬ夜は、煙草を咥えて

窓の外で深々と降り注ぎ舞い散る雪の華を観た。




『次は、誰を殺してあげようか……』
 

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