悪魔による快楽殺人

□快楽快音、そして…悲鳴
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『んだよ…誰だ。てめぇ…… 




 ば、馬鹿っ!!寄るな!やめろ!!!




 あっ…う、嘘だろ………死んでるのか…』



工の記憶の中ではまだ俺は血みどろだった。

『夢でよかった…』


じゃないと、壊れちゃうもん。






俺の横で寝息を立てる少年はまだ幼い面影が

僅かに残っているようで可愛かった。












だけど、憎むべき人間。















工は俺の仲間であり、此処に居る唯一の人間

あとは、死体と長年溜め込んだ首が沢山。



その目は曇り、まるで俺を憎んでいるようだ。

















記憶に入り込む俺をにらみ付けた工に一言。



『俺が怖いの?』



そう云えば、煙草を銜えて知らん振り。









あぁ…腹立つなぁ…。まったく、もう。








ニコニコする俺をも一回睨んで呟く









『むかつくのは、お前だっつーの』

















そんなこと云うから、工の顎を引っ掴んで

無理矢理引き寄せて煙草を奪い取り

指先でそれを消し去る




『な、何しやがる!?』





ごめんね?の意味で目を細めて唇を這わす



舌で舐め沿うのはこの男の首筋



慣れた手つきで俺の髪を梳いてくれる









俺が工を受け入れた理由。























そんなものない。


































ただ、落ち着くの。ただ、安らぐの

俺が今

唯一、無心で泣ける場所をくれた

俺が今

唯一、寄り添える背を貸してくれる


















そんな工が好きなんだと思う














『朱月、泣くな』






やさしい低音は俺を確かに染めていく



『もう一匹くらいヤりにいくぞ?』



殺人は、今となっては罪でも何でもない


俺と工を繋ぐ一つの手段と化した
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