ソラユメ

□プロローグ
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ふわあ…と欠伸をひとつすれば、近くにいた黒猫もくぁ…と欠伸をした。
欠伸が移ったのかな。自然に笑みがこぼれた。

朝とはいえ、夏なのでまだまだ暑さがある。
家から高校まではかなりの道のりがあるので若干鬱になるのは仕方がない事だと思う。

そんな言い訳じみた事をボンヤリと考えていると、前方に見慣れた後ろ姿を発見した


「アツヤ君」


彼は声に反応して私の方に振り向いた。


「お、おう!!原!!おはよう!!」
「うん、おはよう。珍しいよね、朝にアツヤ君と会えるなんて」
「…そうだな!そういえば、久しぶり、だな」


そう言ってはにかむアツヤ君。私より可愛い気がするかな、うん。

彼は吹雪アツヤ君。この街に住んでいる昔からの友達…簡単に言うと幼馴染み、という奴だ。


「あ、お前の両親、今度はどこ行ってんの?」


不意に、アツヤ君が問いかけてきた。



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