ソラユメ

□プロローグ
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…―それは、蒸し暑い真夏の夜の事だった


暗くて、深くて、光がないそんな暗闇に“その子”はいた。


『…熱い』


『体が燃えるように熱い』

『苦しい、苦しいよ』


苦しむ“その子”。声だけで苦しみや哀しみが伝わってくる。それはとても痛々しいものだった。


『……助けて…那子…』


“その子”が私の名前を呼んだ。それと同時に何か熱くて不快な物が私の体にまとわりつき、私を浸食していくような感覚。


…熱い…苦しい…痛い……か、なしい…?


そして、私の意識は覚醒した。




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