薄桜鬼 短編

□居る
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「うむ…やはり。」

「あ、一くん。何してるの?」


総司は部屋の中で軽く悩んでいるような一を見つけ、声をかけた。


「あぁ、総司か。」

「うん、で、どうしたの?」

「あの部屋…居ると思うのだが…総司はどう思う。」

「あ〜、確かに居るよね。女の子かな?」

「やはりそうか。」

「総司に一くんじゃん。何してんの?」


2人が話しているときに通りすがりの平助が話しかけた。


「あ、平助。何にもしてないけど?ただ一くんと話してるだけ。」

「あぁ、総司の言うとおりだ。」


ふ〜ん、と軽い返事をした。


「あのさ、俺、この部屋少し借りっから!」

「あ…」


平助は一が止める間もなく、2人が話題にしていた部屋に入っていった。

「ぎゃぁあああああ!!」


するとすぐに平助の悲鳴が聞こえた。


「平助く〜ん、その部屋、日中関係なく幽霊出るから〜」

「もう出くわした!助けて左之さぁああん!」

「何してんだよ…平助…」

「ぁははは!何してんだ、平助!」


少し呆れ気味の左之助と爆笑している新八が悲鳴を聞きつけてやってきた。


「大丈夫か?平助」

「ヒック…めちゃくちゃ怖かった!!」


左之助に例の部屋から助け出された平助は左之助にベッタリ引っ付いて泣いていた。


「やはり居たか。」

「僕は前からいると思っていたよ。」

「髪のなげぇ女がいたぁ…ヒック…」




居る





(前々から気になってはいたのだ。)

(土方さんに振られて自害した子の霊らしいよ〜)

(ヒッグ…怖かった…怖かった…ヒック)

(そうかそうか、怖かったな、平助。)

(マジかよ…なんて罪深い人なんだ、土方さんは…)

(俺は何にもしちゃいねぇ!!)




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