薄桜鬼 短編
□未来か過去に行けるなら
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あなたなら、未来と過去、どちらかに行けるならどちらに行きますか? 私は―――。
「はぁ?未来か過去どちらかに行けたらどっちに行きてぇか?」
「はい。土方さんはどちらに行きたいですか?」
「そりゃあ未来だろ。この国の行く末を見てぇしな。」
やはりこの方は未来に行ってこの国の行く末を見たいんだ。なんて立派な方なんだろう。
芽衣はそう思いながら夜風に当たっている土方を見ていた。
「で、芽衣はどっちに行きてぇんだ?」
「私ですか?私は両方行きたいです。」
「未来と過去。両方にか?」
「はい。」
わかってる。とても矛盾してることくらい。どっちに行きたいかって聞かれてるのに両方って言うなんて。でも、この答えにはちゃんと理由がある。
「御前のことだ。なんか理由や考えがあんだろ?」
「はい。あります。」
「やはりな。言ってみろ。」
なぁんだ。やっぱり土方さんにはお見通しってわけか。
「私はまず未来を見て、未来で何があったのかしかとこの目に焼き付けます。そして過去に行き、未来であったことを伝えるのです。
土方さんや局長や総司や平助やみんなに。悲しい結末なら、其れを回避したい。みんなに生きて幸せになってほしいから!」
芽衣の瞳には涙が溜まっていた。
「ったく。やはりな。そうだと思った。」
「土方さん…」
土方は芽衣の腕を引き、優しく芽衣を抱きしめた。
「芽衣は優しいからな。仲間が傷付くとこなんざぁ見てられねぇもんな。」
「土方さん」
「歳三。」
「ぇ?」
「歳三だ。芽衣」
芽衣は少し驚いたが、顔を赤くし、土方の名を呼んだ。
「歳…三さん。」
「なんだ?」
「みんなで、幸せな未来を築きましょうね。」
「あぁ、そうだな。」
抱きしめ合った2人の姿を優しい月明かりが包み込んだ。
未来か過去に行けるなら
-End-
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初土方さんなので口調が迷子です;
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