薄桜鬼 短編
□城外で初めて知ったこと
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何時も変わり映えしない部屋。変わるとすれば花瓶に入っている花と自分の着ている着物だけ。何時までこんな面白くもない毎日が続くのだろう。
「姫様、朝餉で御座います。」
「ありがとう。」
ご飯を食べられるのは何時も毒味が終わった後の冷めたものばかり。
「姫様、勉学の時刻で御座います。」
「わかりました。」
何時もと変わらない勉学をする。
「姫様、次は礼儀作法、華道、茶道の時刻で御座います。」
「はい。」
何時ものように礼儀作法、華道、茶道をする。
「次は護身術で御座います。」
「うん。」
そして護身術をして1日を終える。
私はそんな毎日が嫌で城を飛び出した。勿論飛び出したことを知る者はいない。だって言ったら厳重注意になっちゃうもん。
「うわぁ、すごい!此処が城外。なんて人が多いのかしら!」
少女が城外を飛び出した日は祭りがあるらしく、出店などが出ていて賑わっていた。
「これ、林檎飴かしら――」
「いってぇなぁ!誰だ!ぶつかりやがったのは!!」
「すみませんうちです。」
男にぶつかったのは少女で、謝り次の場所に向かおうとした。
「(かなりの上玉じゃねぇか。良い着物着てるし…)おい、女!詫びとして俺と来てもらおうか!!」
「いや!止めて下さい!」
俺は少女の手を掴み、驚いた少女は助けを求めて叫んだ。
「良いから黙って来いっつってんだよ!!」
「っ!!」
箱入り娘なので怒鳴られたことなどなく、その迫力に負け少女はその場にへたり込みポロポロ泣き出した。
「さぁ、きてもら「御前、下衆だなぁ。」
「女を怒鳴りあげて怖がらせてから連れて行こうなんざぁ、男として失格だ。」
男を罵る声が聞こえたと思うと、ふわっと少女の体が宙に浮いた。
「ぇ…?」
何が起きたかわからない少女が顔をあげると其処には浅葱色の羽織りを来た2人の男がいた。
少女は2人いるうちの髪の赤い男に横抱きにされ、もう1人の髪の長い男は少女と少女を攫おうとした男の間に入っていた。
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