colorless


□僕と君と
1ページ/1ページ



「……最近帝人君怪我多いよね」
ため息と共に新羅は呟く。
帝人はそれに苦笑を返すしかない。
確かに、帝人は現在危ない橋を渡っている。が、それを悟られてはならないのだ。
「まあ……言いたくない事なんだろうから、私は無理に聞いたりはしないよ」
帝人の様子に何かを悟ったのか新羅はそれ以上追及することはしなかった。
「ありがとうございます」
誠意を込め、帝人は純粋な笑顔を浮かべる。
対して新羅は口の端を釣り上げ、どこか妖艶な笑みを浮かべて見せた。
「だからといって、許す訳じゃないよ?」
「え……?」
かたん、と新羅の手にあったマグカップがテーブルの上に置かれる。
にじり寄って来る新羅に危機感を覚えて帝人は後ずさるが、背後にあったソファーに退路を断たれる。
肩を軽く押され、帝人はソファーに座り込んだ。
「わっ」
「じゃあ……最近ちょっとやんちゃすぎる帝人君にお仕置き、ね?」

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ