pale green

□一緒に寝ること
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いきなりのことだった。
俺は、いつものようにチーム関東の会合に出ていた。
話し合いも終わりそろそろ帰ろうとしたとき、後ろを引っ張る感覚がした。
後ろを向いてみると、そこにはみんなに愛されている埼玉がいた。
「どうしたんだ?」
埼玉から話しかけられることは多いがこんな風にされたことはない。
「あの・・・・・・・・、その・・・・・・・
  今日、その・・・泊まりに行っていいですか?」
小さい声だった。言いを終わると、顔を真っ赤にさせて下を向いてしまった。
(か、可愛い〜!)
そう、心の中で叫んだのもつかの間。
周りに、冷たい空気が流れる。
この状況は、やばかった。
埼玉は、モテる。
自分は気づいていないようだが、他のチームからも埼玉を狙うやつは多い。
もちろん、この関東でも・・・。
まず、何がやばいって俺様首都東京様がこちらを凄いかをで見ている。
神奈川は、顔こそ笑っているが目が笑っていない。
千葉は、うらやましそうな顔をしている。
栃木は、周りにをされて何とも不憫な感じだ。
この状況、間違いなく俺の選択によっては死亡グラフが付きかねない。
なんとか、死亡グラフだけでも回避しなければ・・・。
そんなことを思っていてら、何を勘違いしたのか埼玉は
「やっぱり、迷惑でしたよね・・。」
と目に涙を少し浮かべながら言ってきた。
はい、死亡グラフが立ちそうです。
みなさん、すごい顔ですよ?
俺は、背中にすごい汗が流れるのを今この時を待って体験している。
埼玉は、外野の視線に気づいたのか顔を真っ赤にさせながら俺の手を握って走り出した。
俺は、一瞬何が起きているのかわからず、つい後ろを見てしまった。
するとそこには、黒いオーラと笑顔の皆様(一部除く)の顔があった。
ああ、俺終わったな・・・・・。

しばらく走って、人けのないところまで来てようやく止まった。
「泊まれば?」
そう、短くいった。
これで、死亡グラフは完全になってしまった。
その答えを聞いて、埼玉は花が咲いたようにぱああと明るくなった。



それから、俺たちは俺の家へ帰った。
埼玉はとてもうれしそうな顔をしている。
俺は、さっきから気になっていたことを聞いてみた。
「どうして泊に来たいなんて言ったんだ?」
すると埼玉は顔を赤く染め恥ずかしそうに下を向いた。
そのしぐさがとても可愛らしく危うく倒れそうになった。
「あの・・・、僕誰かの家に泊まったことなくて・・・泊まってみたいと思っていたんですけど機会がなくて・・・。でも、僕の家リホームすることになって…誰かの家に泊まらなくてはならなくて・・・それで・・」
と埼玉は言って顔を隠した。髪の間から出ている耳が真っ赤になっている。
そこでふと、不思議に思った。
なぜ、俺なんだろう?
俺のほかにもたくさん泊まれる人はいるはずだ。
埼玉が「泊めてください。」といえば皆二つ返事で返ってくるだろう。
それなのになぜ?
「埼玉、なんで俺なんだ?」
気づけば声になっていた。
埼玉は、顔をこちらに向けてそして、笑った。
「だって、茨木さんならいやなんて言わないでしょう?それに、へ、変態なこともしてこないし///。」
そういえば、東京や神奈川にされてたっけ・・・・。
なんて思っていてら、埼玉が俺の手を握りながら
「それに・・・・・茨木さんだからです・・・・・・・・・・。」
なんて可愛いこと言われてしまった。さっきよりも頬が赤い。

埼玉が寝る部屋に案内すると、埼玉は俺の服をつかみ「一緒に寝てもいいですか?」
なんて、可愛いことを言われた。
俺と埼玉は俺の部屋のベットで二人より添うように寝ていた。
「おやすみなさい。茨木さん。」
「おやすみ。」
埼玉の髪の毛を少し触れてから眠りについた。




翌日。
すごい顔のチーム関東のメンバーとあった。
埼玉が現れるなりすごい勢いで、「昨日はどこにいたの?家に行ってもいないからびっくりしちゃった。」
などと言っていい人ぶっているが、俺のほうにただならぬ殺気がを送られてくる。
埼玉は、びっくりしていたが
「秘密です。」
なんて可愛いこと言っていた。
その色気にやられてボーとしていたが、気が付いたのか殺気が増したような・・・。
埼玉はこちらにやってきて、俺の手を引いてドアを抜けるとドアを閉めて、俺に近づき
ちゅっと俺の唇に埼玉の唇があたった。
俺は訳が分からなくなったが理解した瞬間顔が真っ赤になった。
「さ、埼玉?」
「茨木さん、昨日僕が泊まった理由の一つがこれです。」
と言った。色気があるように感じる。
「もう一回してもいいですか?」
聞かないでくれと思ったが、両思いになれたのだから我慢するしかないのかもしれない。
俺は、ゆっくり埼玉に近づき軽くキスをした。
「これで両思いだな」
そういうと、埼玉は顔を赤くして、
「また、泊まっていいですか?」
と聞いてきた。


         一緒に寝ること
(それは、お互いの気持ちを確かめる一歩)
『ああ、死亡グラフが立ったな。』
『死亡グラフ?』
『埼玉は知らなくていいんだよ』

『い〜ば〜ら〜ぎ〜!!』
『げっ!』
『一緒に逃げましょう?』
『おっ、おお』
『待て、こら!!』

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