暗黒世界に終止符を@

□暗黒世界に終止符を
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「今日のなんの授業だっけ?」



ホグワーツに入学して数日。大広間で朝食をとっているときハリーがそう聞いた。



『魔法薬だな。スリザリンと合同の』

「スネイプはスリザリンの寮監だから、いつもスリザリンを贔屓するってみんなが言ってる」

「マクゴナガルが僕たちを贔屓してくれたらいいのに」

『あははっw、想像できね[ガツっ]っ〜〜〜…』



いきなり後頭部に衝撃が走った。一瞬マクゴナガルに聞かれたか!?と焦ったが、マクゴナガルは今出張中・・・なら、こんなことをするのは一匹しかいない。
そんなことを考えていると頭の上にふぁりとなにかが乗った。



『・・・もう少し安全に止まれないの?お前』

「ぽーぽー!(わざとだもん!)」

『はいはい』



『分かってますよー』と言うとノワールは ほー。と一回鳴いてテーブルの上に手紙をおろした。それを手にとって頭を擦りながら器用に片手で封を切った。手紙は母さんからで、俺が書いたこと一つ一つにちゃんと返事を書いてくれている。その中でもある文章に目が止まった。

―…魔法薬と言えばセブルスが担当なのよね。彼、私の友達なの。―…



『え゛』

「「?」」

『あ、なんでもない…』



―…言動は厳しいかもしれないけど、優しい人なのよ?嫌わないであげてね。―…



―――…優しい…ねぇ。



「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えるとなにになるか?」



入りたての一年生にこんな問題を出す人のどこが優しいの!?



「分かりません」



と、ハリーが答えるとスネイプは口元でせせら笑った。



「チッ、チッ、チ、・・・有名なだけではどうにもならんらしい。

ポッター、もう一つ訊こう。ベゾワール石を見つけてこいと言われたら、どこを探すかね?」

「分かりません」

「クラスに来る前に教科書を開いてみようとは思わなかったわけだなポッター。え?」



先生のおっしゃることにも一理ありますが、初日でそれはちょっと無理があるんじゃ・・・。てか、そろそろハリー以外にも目を向けてください。ハーマイオニーなんか張り切り過ぎて腕プルプルしてますよ。



「ポッター、モンクスフードとウルフスベーンの違いはなんだね」



ついにハーマイオニーが席から立ち上がりこれでもか!と言うくらい手をあげた。



「分かりません。ハーマイオニーが分かっていると思いますから、彼女に聞いてみてはどうでしょう」

『ぶはっw』



ついに耐えきれなくなって思わず吹き出した。その瞬間スネイプがばっとこっちを見た。

やばいやばい。超こっち見てる。



「・・・ならばロード、代わりに答えてみろ」

『えー・・・っと、アスフォデルの粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると・・・眠り薬になりますね。でもかなり強力なので“生きる屍の水薬”と呼ばれてます。
べゾアール石は山羊の胃の中、これは大抵の薬の解毒剤になります。
モンクスフードとウルフスベーンは同じものです。別名をアコナイトと言いますが、総じてトリカブトのことですね』

「チッ・・・」



今舌打ちしなかった?



「なかなか出来るようだな。それで諸君は何故今のを書き留めんのだ?」



スネイプがそう言うとみんなハッとしたように羊皮紙と羽ペンを取り出した。



『(いや、一年の初めにやる授業じゃねえだろ。これ)』




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