暗黒世界に終止符を@

□暗黒世界に終止符を
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「ミスター・ロード」

『ふぁい?(はい?)』



昨夜の騒動から一夜が明け、大広間で朝食をとっているとマクゴナガルに名前を呼ばれた。



「お母様が見えられていますよ」

『っ、げほっ…え?』

「あとで校長室に行きなさい」

『分かりました・・・?』



ラサラスがこくりと頷くとマクゴナガルは踵を返して歩いて行った。



「ジゼルさんが来てるの?」

『みたい。・・・じゃ、俺行ってくるから』



早々と席を立ち、足早に大広間をあとにした。走って校長室に向かおうとしていると、運悪くスネイプに遭遇した。



「ロード。校内を走り回るとは・・・今度は一体なにを企てているのだ?」

『いや、実は急ぎ(とは言われてないけど)で校長室に行かないといけなかったもので・・・』

「ほう。校長室とな?」



スネイプが意地悪そうににやりと嗤った。



『はい。母さんが来てるそうなので』



ラサラスがそう言うと一瞬スネイプが目を見開いた。



『先生?』

「・・・ならばさっさと行け」



それだけ言ってスネイプはマントを翻してさっさと歩いて行った。



『?、・・・と、急ご』



はっとして再び校長室に向かった。



『、しつれー「ぽー!(ラサラスー!)」



合言葉を言い、現われた階段を上がって中に入ろうとすると顔面になにかぶつかった。



『って、お前!朝からいねーと思ったらこんな所にいたのか』

「迎えに来てくれたのよ?」

『、母さん!』



校長室にあったソファーに腰掛け、紅茶の入ったカップをテーブルの上に置くジゼル。



「では、校長先生これで失礼しますね」

「またいつでも来るがよいぞ」



ジゼルは校長に挨拶をするとラサラスを連れて校長室をあとにした。



「ラサラス、クィディッチの選手に選ばれたんでしょう?」

『あ、うん。チェイサーにね』



そう言った時、少しだけジゼルの瞳が寂しげに揺れた。



『母さん?』

「―――…ううん。だからね、箒があった方がいいと思って部屋に送っておいたわ」



「流石にノワール(この子)だけじゃ運ぶのは無理だから」と肩に止まるノワールの頭を撫でるジゼル。



「新しいのじゃなくて悪いんだけど、私クィディッチあまり詳しくないから・・・。あの人が好んで使ってたのなら大丈夫かなって思って」

『あの人?』

「―――…あなたのお父さんよ。あの人も学生時代クィディッチの選手だったの。あなたと同じチェイサー」

『!』



父さんが、俺と同じチェイサー・・・!



「―――…あら、」

『、え?』



玄関ホールを通りかかったとき、ハリーとロンが笑いをこらえながらこっちに歩いてきた。向こうにはマルフォイとクラップにゴイル、それからフリットウィック先生がいた。



「あ、ラサラス、ジゼルさん!」



二人に気付いたハリーがこっちに走ってきた。



「ハリー久しぶりね。そっちの子は初めてよね?私はジゼル・ロード。この子の母親です」

「ろっ、ロン・ウィーズリー…です///」



ラサラスが差しだして手を照れながらも握りかえすロン。そのとき、ノワールが暴れたので焦って捕まえた。



『(、あぶねー・・・)と、ところでハリー
その包みなに?』

「箒だよ!マクゴナガル先生がくれたんだ!!」

『マジで!?』



ラサラスとハリーが興奮気味に目を輝かせた。



『俺も「三人とも?もうすぐ授業が始まるんじゃないかしら?」

「「『あ!』」」



ジゼルの言葉にはっとする三人。



『やっば!なにも準備してねえ!』

「ふふっ・・・ちゃんと勉強するのよ?」

「「『はーい!』」」



ジゼルは、ぱたぱたと寮に走って行く三人に手を振って見送った。



「・・・あの二人みたいに悪戯ばかりしちゃ、ダメだからね」



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