約束 〜 いつか、君に逢いに行く 〜

□第七章 シロツメクサ
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自分には人を率いる才があると、私はどこかで自負していた。父や兄の、才能に恵まれた血が流れていると思っていた。けれど、それは甘えに過ぎないのだと知った。私は、まだまだ半人前だ。

けじめをつけるため、バッサリと髪を切ってしまってから、頭がとても軽くなった。首がすうすうして、落ち着かない。
情けないことに、暫くは、髪をすく癖も抜けそうにない。指先で髪の艶を確かめることが、毎日当たり前だったからだ。

指先が空回るたび、私はひどく気落ちする。

「俺は、長い髪は、嫌いじゃねえがなあ」

銀時がそんなことを言うから、私はますます落ち込むのだ。

長い髪が好きなら、最初にそう言って欲しかった。


  〜第七章 シロツメクサ〜


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