約束 〜 いつか、君に逢いに行く 〜

□第三章 大獄の遺児
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侍には、士道がある。

どこの藩でも、理想とする教えがあり、侍は骨に滲み込むほど叩き込まれて、一人前になる。

私達水戸藩の場合は、藩士は主君に仕え、主君の為に生涯を全うするものと教えられた。そんな武士道を貫き、教えに恥じない生き方をすることが、武士の誉れと信じてきた。

だが、最近出逢った長州藩の連中は、変わり者ばかり。
出身や身分はまちまちで、農民や商人もいる。とても侍とは呼べないような出で立ちのものもいる。
それでも、彼らは一致団結し、攘夷という同じ目的に集った。


私には、彼らの武士道はひどく分かりにくい。
けれど、それは強靭で、揺るぎないものに思えた。


 〜第三章 大獄の遺児〜



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