約束 〜 いつか、君に逢いに行く 〜

□第五章 成破の盟約
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安島が負傷した一件で、私は自分達の非力さと、攘夷志士たるものの本当の実力を再認識した。
銀時達が助けに来てくれなかったら、私達はきっと全員死んでいた。私だけでは、窮地を切り抜けられなかった。


白い羽織を靡かせて、銀時が戦場に現れた時。強い風が荒野を通り抜けるような、鮮烈な印象を受けた。

彼は次々に襲いかかる天人の首を跳ね、天人の群れをかき分け、私達の所まで来た。彼が現れた姿は、敵の返り血を全身に浴び、髪から羽織までを真っ赤な鮮血に染めていた。

そして、声を張り上げて私達を叱咤し、怪我人を敵から遠ざけ、救ってくれた。


私の眼には、彼の戦い方だけは、他と違うように思えた。
護る戦い方をする男だと思った。


 〜第五章 成破の盟約〜


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