約束 〜 いつか、君に逢いに行く 〜

□第十四章 別れの朝
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桜庭門外での戦いの間、俺は千晶の無事ばかりを気にかけていて、 他の仲間にまで気を配ることが出来なかった。彼女を信頼して、もっと周りをよく見ていれば、少ない犠牲で済んだかもしれなかった。

仲間を救えなかった辛さなんて、戦争を通じて嫌というほど感じてきた。その度に、死んだ仲間の短い命を悔やみ、己の非力さにうちひしがれてきた。また、繰り返してしまうのだ。


鮎沢を失った千晶の様子は、これまでに見たどの彼女よりも、悲しみに沈んで見えた。千晶を護ると約束したけれど、本当の意味では、彼女を護りきれなかった気がした。

これから、俺は千晶のために、何をしてやれるのだろう。彼女の笑顔を失わないために、彼女の大切なもの全て、護りきることが出来るのだろうか。

ずっと側にいることなんて、出来ないかもしれない。でも、ただ側にいることだけが、大切な人を護る手段ではないのだ。


  〜第十四章 別れの朝〜

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