約束 〜 いつか、君に逢いに行く 〜

□第十五章 転機
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思い返せば、銀時との別れは、淋しさや哀しみに溢れたものでなく、ひたすら忍耐だった。

銀時の、熱い手のひら。紅い瞳、まっすぐな眼差し。陽に透ける綺麗な銀色。どれでも、たったひとつでもいいから、この手に留めておきたかった。
もしかしたら、この眼で見るのは最後かもしれない。なんて思い始めると、止まらなかった。今すぐに引き返せばまだ間に合うと、考えるより先に、体が駆け出していきそうだった。私は前に進むことだけを考えて、振り切るように、銀時と別れ水戸へ戻った。


私達は、これでよかったのだ。
ヅラや高杉が、銀時を必要としているのを知っていた。銀時は、お師匠様から託された仲間を、見棄てるはずがないのだ。


私達が再び巡り会う、その時が来るなら、お互い何処で何をしていて、どんな風に変わっているんだろう。

迎えに行くなんて約束、いつまでも待っていられるほど、私は気が長くはない。
逢えるなら、いつか私から、銀時を捜しに行く。


 〜第十五章 転機〜

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