約束 〜 いつか、君に逢いに行く 〜

□第十六章 夢の淵で
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記憶の中の千晶は、別れた日の、俺の前から立ち去る後ろ姿で止まっている。

思い返せば、先生との別れもそうだった。幕府の役人に捕縛され、連行される背中。それが最後になってしまうとは、これっぽっちも思いもしなかった。思い出す度に、苦しくて悔しくて、やるせない。


どうか、千晶が無事でいるように。戦争の日々、日一日を生き延びる度に、俺は祈った。どれだけ戦で力が削がれ、どんなに追い詰められようとも、俺はひたすらに願った。

何処にいても、何をしていてもいい。
あの、楽しそうに笑う屈託のない笑顔を、奪わないでくれ。
どうか、先生のように約束を残して、俺の前から消え去らないでくれ。


死んでいない限り、命が続く限り、何処かでまた逢える。
俺は、そう信じていた。


  〜第十六章 夢の淵で〜


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