狂桜ノ夜

□第一章
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ハァ……ッッ……ハァ…










また、例の夢を見た。

この頃、毎日のように見る。





でも、どんな夢だったかは全く覚えていない。








あの夢を見た後、
まるでなにかに取り憑かれたよな感じがする。





思い出さそうと試みるが無駄である。








気味が悪い……。







むくっとベッドから体を起こした。







“あさ………”





夕梶(ゆうび)は幼いながらにきりっとしている目をすぅぅと細めた。







今、夕梶が寝ている寝所は西洋風の布団、いわゆる『ベット』と言われる物である。



これはかなり大きい物で大人が余裕で5人はのびのびと寝れる

脚は夕梶の腰の高さまである。


まだ幼い子供の夕梶がたった1人で寝るのにはあまりにも広すぎるものであった。






“淋しい……”








パタンとまた夕梶はベッドに寝ころがった。



部屋の大きさは20畳ほどである。

陽がさんさんと降り注いでいるガラスの窓は、どこか堅苦しいぐらい装飾が施されている。





赤、藍、紫




派手ではないが、豪華である窓の装飾。


机の上にも沢山の高価そうな物がおいてある。

宝石類は全て夕梶の母親のものであった。







昔、この部屋は夕梶の母親が使ってたのだ




それが、また一層夕梶を居心地悪くさせていたのだった。
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