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□たまには…いっかぁ。
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『う゛っ、うわぁっ!!』
キッチンから大袈裟なほどの物音と声が同時に聞こえてきた。
こちらには背中しか見えないが、どうやら苦悶の表情を浮かべていると思われる。
『ゆっ、ゆーりぃ…っっ』
今にも泣きそうな顔で俺の方を見るフレンは、小動物のように可愛らしい。
呼ばれたからには行くしかない。
洗濯物を畳んでいた手を止め、ゆっくりとキッチンへと向かう。
『どーした?指でも切ったのか?』
『ちっ、違う…。』
大きな空色の目は揺らぎ、眼下には何やら白い物体が蠢いている。