09/08の日記

21:16
短編(伊黒)
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注意!

・伊月先輩と黒子君が同級生










日が天辺から随分と傾いた午後の時。
今日の最後の授業ということもあり、クラス内の四分の一ほどが夢の世界へと旅立っていた。
寝息すら聞こえてきそうなほど、爆睡する同級生を尻目に、黒板に書かれている文字を写す黒子。内容を理解するというよりは、ただ模写するだけの単純作業に部活の疲れが襲ってこない訳がない。
さざ波のように、断続的に襲ってくる睡魔と戦いながら少し線の乱れた文字を書く黒子の耳に、チョークと黒板が擦れる音でもなく、同級生の寝息でもない音が入ってきた。
それは鉛筆が何度も擦れる音。
明らかに文字を書いているようには到底黒子は思えなかった。
その音は黒子の隣の席から聞こえてきた。

顔を時折上げながらノートに何かを書いているようだ。一体何を書いているのだろうと影の薄さを利用して体を少し横にずらし、机の上を覗き見る。
(…、…誰を描いているのでしょうか)
まだ全体の三分の一ほどしか描かれていないため、一体誰を描いているのか黒子には判断つかない。黒子は顔を上げ、一体この人物は誰なのか問おうとした。
けれど、特殊な眼を持っている彼は口元に人差し指を立てて表情だけで笑い止めた。そして先生を見る。
その仕草で言いたいことを察した黒子は頷いた。


















…実話だったりする。

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