黒子のバスケ 小説

□―――導きのままに
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*原曲を私なりに解釈して、どうしても噛み合わない所は変更してますので「曲と全然違うよ!」となるかもしれません。








暗闇の中、目が覚めた。
全く周りが見えない。

椅子のようなものに座っているのが感触で伝わってきた。

突如、暗闇の中にぽつんと青白い手が浮かび上がった。
それと同時に辺りにいくつか僅かな光が灯る。
古めかしい椅子の上にフランス人形や兎のぬいぐるみなどが置いてあるのがわかった。

ぬいぐるみが抱き締めるようにしてトランプを、此方からは中身の見えないように持っていた。
それは突如浮かび上がった手の中にも。

そして自分の手を見ると同じようにトランプが何枚かあった。
ダイヤの5
クローバーのジャック
ハートの7
他にも数枚か。

数字が被っているものは一組もない。
目線の少し下にトランプが2枚ずつ置かれていた。

おそらく、これは…「ババ抜き」だろう。


青白い手が僕に早くトランプを引けとでも言うように手招きする。
声が頭の中に聞こえた。

『ババは一番右だよ』

その声に何の疑いもなく従って、一番右を避けてトランプを引いた。



引いたカードは、スペードのキング。



















地震で体育館の照明が落下するという事故が起こってから約1ヶ月の月日が経った。

照明にぶち当たった彼は、今はピンピンしてクラブに励んでいる。それは彼がギネスブックに乗るほどの石頭だったお陰が、それとも赤司の呼んだ医者が相当の名医だったお陰なのか。
恐らく両方だろう。

体育館は耐久性が見直され今はかなり丈夫な作りになっている。
(前々から災害時の避難場所として丈夫だったがそれを遥かに凌ぐらしい)
ガソリンスタンド並の耐久性を誇る体育館。
一体どれほどの金がかかっているのか考えるだけで恐ろしい。

が、これだけ頑丈なのだ。
いざとんでもない災害が起こっても、体育館に避難すればよっぽどのことがない限り安全だろう。

そのとんでもなく頑丈になったお陰でバスケ部は予想より早く、再開されることになり、帝校中学の日常は普段通りに戻りつつあった。
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