黒子のバスケ 小説

□密室
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特別注意!
・お持ち帰りは浅緋様のみです!


通常注意!

・ホラー…というより猟奇的な話となっております。
苦手な方は今すぐ逃げてください。
















「バラバラ殺人事件…ってこの街も物騒なもんだな。」

火神はテレビに映されているニュースを見てそう呟いた。テレビには連日放送されている殺人事件のことが流れていた。
その殺人事件が起こった場所は火神のいる辺りからほんの数キロと無い地点で起こったらしく、学校でも騒ぎとなっていた。
その為、付近の小、中、高ともに下校時刻が早くなっており部活もロクに出来ない状態が続いていた。
火神はソファから立ち上がるとテレビの電源を切り、軽く背伸びをした。
そろそろ晩飯でも作ろうかと頭の内で冷蔵庫内にあったものを並べてみるが、どう考えても足りない。

(最近、部活ばっかり行ってたしな…。)

火神は軽い準備を済ませると、買い物に出かけた。少し前に雨が降ったのか地面が濡れている。

――――――――――そこから先の記憶は途切れていた…。


















耳障りな音かして、火神は目を覚ました。まるで無理矢理空気を捩じり切ったかのような不快音。
知らず知らずの内に火神は眉を顰めていた。
地面は古いフローリングで、小さな窓は随分汚れていた。

―――――何より異様だったのが、漂う鉄臭い、まるで血のような臭いだった。

それは直ぐ真後ろから漂ってきている。恐る恐る火神は振り返った。


―――――――――ッ!?

振り返った火神が目にしたのは、豚の被り物を付けた…体つきからして恐らく男が、鳴り続けるチェーンソー片手に持っている後ろ姿だった。
豚の被り物をつけた男―――豚男の近くには、一台の手術台が置いてあった。その手術台には人が…。
尋常ではない事態に火神は混乱するよりも先に、普段は大して使わない頭をフル回転させた。

(どうすればいい?)
(何とか気を引かせれるものがあれば)
(早く)(死ぬぞ、アイツ)
(どうする)
ぐるぐるぐるぐると思考が回る。火神は辺りを何度も見まわした。
そして目についたのはかなり高さのあるタンスだった。

極力音をたてないようにタンスに近づくと扉を開けた。中に何か入っていないか賭けに出たのだ。

その賭けに火神は―――勝った。

中には、どうして入っているのは全く分からないが、等身大の人形が入っていた。重さもそれなりにある。
それを火神は引き摺らないように注意しながら歩き、窓から、…落とした。
窓の下付近から、思ったよりも大きな音を立てて地面に落下した人形。

その音に今までその場から動かなかった豚男が行動をみせる。
チェーンソーを地面に無造作に落として、足首の位置はそのままに体だけを出口の方へ向けた。

人の構造上不可能な動きに、豚男の足が捩じれ、続いて骨の折れるような音が鳴る。

先程のチェーンソーの方がマシだと思えるような不快音に、火神は背筋を凍らせる。
カツカツカツ…と豚男の足音が階段を下りていくのを聞くと、火神は緊張を息として吐き出した。

火神は手術台に乗せられていた人の元へ走ると、手首を固定していた縄を外した。


目が覚めたのか、淡い髪色をしている少年がうっすらと目を開けた、
「あの…、あ、れ…貴方は…」
状況が理解できず戸惑った様子の少年。
「それは後でちゃんと説明すっからよ、とりあえず名前教えてくんねぇか?」
火神自身にもこの状況は正直よくわからない。


恐らく、あのニュースの事件に巻き込まれたであろうことだけはなんとなくだがわかっていた。
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